この日はいつになく、歩くだろうなとは思っていた。
でも、まさかこんなことになるとは思ってもいなかった。
朝、リュックをしょって 『 Painted Ladies 』 を目指す。
途中、ハロウィンの飾りを見ながら…
徒歩で約40分。
アメリカのドラマ 『 フルハウス 』 にも出てくる有名な家 『 Painted Ladies 』。
日陰になっていて少し残念な写真。
ここから歩いて約30分。
ヒッピー発祥の 『 Haight Ashbury (ヘイトアシュベリー)』。
“ Whole Foods ” があったので、涼む為にも寄ってみる。
冷凍のおもち。
野鳩と一緒に休憩。
次は、『 Golden Gate Park 』 へ。
美術館、植物園、科学アカデミー等があり、
ニューヨークのセントラルパークよりも広い。
“ Go Car ”
ナビが付いているので、街散策に便利。
さすがにひとりで乗る気にはならず。
Golden Gate Park から、バスに乗って、
いよいよ 『 GOLDEN GATE BRIDGE 』 へ。
ついに! 遂に! 来ましたよ!!
こうやって見るだけでも…と思っていたら、
何やら、みんな歩いている。
ま、せっかく来たんだから、少し歩こうと思う。
○印のある、一番手前の橋脚まで。
サンフランシスコの街並み。
ここまで来るのも、思っていたよりも距離があり、
ただ見るだけと、歩くのとでは違うことを実感。
“ ではでは。引き返そう。” と思ったのに、
他の多くの人たちは、どんどん先へと歩き続けている。
“ この先も歩き続けるということは、海を渡るってこと? ”
“ えーーーー。でも、みんな歩いてるしな。”
“ ま、ここまで来たんやから、歩いてみるか。”
…と思ったのが、間違いだった。
再度歩き始めて、しばらくは余裕あり。
歩けども、歩けども。
歩けども、歩けども。
向こう岸に着かない。
二番目の橋脚にさえ着かない。
暑い。暑い。暑い。暑い。
歩くこと約1時間。
やっと到着。
1時間かけてやっと着いて喜んだけど、
現実は…
来たってことは、また戻らなきゃいけない。
Ubar で車を探そうか?
バスに乗って帰ろうか?
iPhone でいろいろ考えながら、時間が過ぎていく。
仕方がない、引き返そう。
来る時は、あれだけたくさんの人がいたのに、
戻る人があまりいない。
強い日差しで体力が消耗していく。
景色を見る余裕も、写真を撮る余裕もなく、
パーカーのフードを深くかぶり、
“ 修行僧 ” のように、ひたすら前へ前へと足を進めるだけ。
顔を上げて先を見ると、気持ちが萎えるし、日に焼けるから、
下を向き、もくもくと歩く。
“ なんで手前の橋脚までにしとかへんかったんやろ。”
“ なんで歩けると思ったんやろ。”
こんなことばかり考えながら。
GOLDEN GATE BRIDGE 徒歩で往復。
約2時間30分。
売店でスプライトを買い、イッキ飲み。
バス停でバスを待つ。
早く部屋に戻りたい。
同じようにバスを待っている人に、
“ここで待っていたら、中心地に戻るバスは来ますか?” と聞くと、
“(自分たちも)わからない。” と。
やっと、やっと…バスが来たので、
運転手さんに聞くと、街まで行くとのこと!
でも私が持っていた、
バスとケーブルカーが乗り放題の Muni Pass は使えない。
とにかく早く部屋に戻りたくて、
パスは使わずにバス代を払って乗車。
BART の駅がある場所まで帰られればなんとかなる。
なんとかなる。
なんとかなる。
歩き続けられた自分の体力と、
無謀な止む無き好奇心に感謝しながら。
冷房の効いたバスの座席に座り、
歩き続けた今日一日を思い返す…。